求人票の時給を見比べて、登録ヘルパーのほうに丸をつけました。
そちらのほうが150円高かったからです。
ところが働き始めてみると、思っていたほど手取りが増えませんでした。
同じ「ヘルパー」なのに、求人票では「常勤」「登録ヘルパー」「パート」と書き方が違います。
時給だけを見ると登録ヘルパーが高く見えることも多く、どれを選べばいいのか分かりにくいところです。
今回は、時給が高く見えるのに手取りが増えない仕組みを中心に、実際の働き方の違いを整理します。応募する前に知っておいてほしい話です。
まず、働き方の違いから
| 登録ヘルパー | 常勤 | |
|---|---|---|
| 働く時間 | 入った訪問の分だけ | 決められた勤務時間 |
| 収入 | 件数で変動する | 固定(月給) |
| 時給の見え方 | 高く見えることが多い | 低く見えることが多い |
| シフトの自由度 | 高い | 低い |
| 担当以外の業務 | 基本的にない | 記録・会議・調整なども |
ここまでは求人票からも読み取れます。問題は次です。
なぜ登録ヘルパーの時給は高く見えるのか
ここがいちばん大事なところだと思っています。
登録ヘルパーの時給は、実際に訪問している時間に対して設定されています。
つまり訪問と訪問の間の移動時間や、待っている時間は、その時給の対象になっていないことがあります。
少し具体的に考えてみてください。
午前に2件、午後に2件入ったとします。実働は合計4時間。
でも家を出てから帰るまでは、7時間かかっているかもしれません。
拘束時間で割り戻すと、時給の数字ほど高くないということが起こります。
私が最初につまずいたのは、まさにここでした。
ただし、移動時間は労働時間です
誤解のないように書いておきます。
訪問と訪問の間の移動時間は、使用者の指揮命令下にあるものとして労働時間に含まれるとされています。移動時間に対しても賃金が支払われるのが原則です。
問題は、その支払われ方が事業所によって違うことです。
- 移動時間分を別の単価で計算するところ
- 一定額を手当として払うところ
- そもそも曖昧なところ
これは面接で聞いていい質問です。
むしろ、はっきり答えられない事業所は避けたほうがいいという判断材料になります。
面接で必ず確認したい5つ
- 移動時間の賃金はどう計算されるか…単価はいくらか、どこからどこまでが対象か
- キャンセルになったときの扱い…利用者都合の急なキャンセルで、その日の収入がゼロになるのか。事業所側の責による休業と判断されれば休業手当の対象になり得ます
- 移動手段と交通費…自家用車やバイクを使う場合のガソリン代、保険はどうなるか
- 1日にどれくらいの件数が入るか…登録ヘルパーは件数がそのまま収入になります。安定して入るのかを聞いてください
- 記録を書く時間は勤務に入るか…訪問後の記録を自宅で書いている、という状態になっていないか
この5つは、聞いても失礼になりません。
むしろ、はっきり答えられる事業所のほうが管理がしっかりしています。
常勤のほうで見落としやすいこと
常勤は時給換算すると低く見えます。ただ、見えていない部分があります。
- 賞与・昇給…年収で比べると逆転することがあります
- 社会保険…事業所が半分負担します
- 処遇改善の加算…配分の仕方で常勤に厚く配られることがあります
- サービス提供責任者への道…資格を取ってキャリアを積む前提なら、常勤のほうが早い
一方で、常勤には訪問以外の業務が乗ります。計画書の作成、担当者会議、急な欠員の穴埋め。
「訪問だけしていたい」という方には、そこが負担になることもあります。
どちらが向いているか
| 登録が向いている | 常勤が向いている |
|---|---|
| 家庭の予定に合わせたい | 収入を安定させたい |
| 他の仕事と掛け持ちしたい | 資格を取ってキャリアを積みたい |
| 決まった曜日だけ働きたい | サービス提供責任者や管理者を目指したい |
登録から始めて、慣れてから常勤に移る方も多いところです。
逆に、常勤で経験を積んでから登録に切り替え、時間の自由を取る方もいます。どちらも行き来できます。
よくある質問
Q. 登録ヘルパーでも社会保険に入れますか?
勤務時間や日数などの要件を満たせば加入対象になります。件数が安定しているかどうかで変わってくるので、面接で「どのくらい入れそうか」とあわせて確認してください。
Q. キャンセルが多い月は収入がガクッと減りますか?
登録ヘルパーはその影響を受けやすい働き方です。だからこそ2番目の質問(キャンセル時の扱い)が効いてきます。休業手当の対象になるかどうかで、月の収入がだいぶ変わります。
Q. 時給が安くても常勤のほうが得ですか?
一概には言えません。ただ時給ではなく年収で比べると、見え方が変わることは多いです。賞与・昇給・社会保険・加算の配分まで含めて計算してみてください。
まとめ
- 登録ヘルパーの時給が高く見えるのは、実際に訪問している時間に対する単価だから
- 拘束時間で割り戻すと、数字ほど高くないことがある
- ただし移動時間は労働時間。賃金の支払い方は事業所によって違うので必ず確認する
- 面接で聞くべきは①移動時間の賃金 ②キャンセル時の扱い ③交通費 ④件数の安定性 ⑤記録を書く時間
- 今の生活に合わせるなら登録、将来の収入を上げたいなら常勤
- 時給ではなく、賞与・昇給・社会保険を含めた年収で比べる
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移動時間の扱い、キャンセル時の補償、加算の配分。この3つは事業所ごとにまったく違うのに、求人票にはほとんど書かれていません。
自分から聞きにくい条件でもあります。間に人が入る転職サイトなら、応募前に代わりに確認してもらえます。今の職場の条件が普通なのかを確かめる材料にもなります。
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まずは気になる求人に、「移動時間の賃金はどう計算されますか」とひとつだけ聞いてみませんか。答え方で、その事業所のことがかなり分かります。
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