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9月, 2026の投稿を表示しています

訪問介護で腰を痛めないために|抱え上げをやめる具体策と、ケアマネジャーへの伝え方

朝の訪問で、ベッドから車いすへ一回。 昼に起こして、夕方にまた戻す。 その日はなんともなかったのに、翌朝、靴下をはこうとして固まる。 訪問介護で腰を痛める方の多くが、この順番です。 特別に重い方を持ち上げたわけではありません。 低いベッドに向かって、前かがみでひねる。 これを一日何回も繰り返したことのほうが効いています。 腰痛は根性で防ぐものではない、というのが今の考え方です。 国の指針も、その立場に変わっています。 国の指針は「原則として人力で抱え上げない」 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」には、はっきり書かれています。 全介助が必要な方には、リフト等を積極的に使う。原則として人力による人の抱上げは行わせないこと。 ここで大事なのは、これが個人の心がけではなく、 事業主に向けた指針 だという点です。 用具をそろえるのも、作業のやり方を決めるのも、本来は事業所側の役割になります。 指針が挙げている用具は、だいたい次のとおりです。 場面 使う用具 ねらい 全介助の移乗 リフト(床走行式・据置式など) 持ち上げる動作そのものをなくす 座位が保てる方の移乗 スライディングボード 持ち上げずに横へすべらせる 立位が保てる方の移乗 スタンディングマシーン 引き起こす動作を減らす ベッド上の移動・体位変換 スライディングシート 引きずらない。不自然な姿勢を防ぐ あらゆる介助の前 電動ベッドの高さ調整 前かがみにならない高さまで上げる 正直に言うと、在宅ではリフトまで入っている家は多くありません。 ただ、 スライディングシートとベッドの高さ調整は、今日からできます。 在宅でいちばん効くのは、ベッドの高さです ご家庭に伺うと、ベッドがいちばん低い位置のままのことがよくあります。 ご本人が足を下ろしやすいように、家族が下げているのです。 介助に入るときは、いったん上げる。 終わったら元に戻す。 この往復を面倒がらないだけで、腰にかかる負担がまるで違います。 目安は、 自分が立ったまま前かがみにならない高さ 。 腰をかがめて作業している時点で、高さが合っていません。 そしてもうひとつ。 ベッドは壁から離して、両側から入れるようにしておくと、ひねる動きが減ります。 模様替えの話になるので、ご家族と相談が...

訪問介護で預かる家の鍵の管理|紛失を防ぐ5つと、キーボックスの扱い

玄関の前で、ポケットを3回さわりました。 鍵が、ない。 結局、前の訪問先のテーブルに置き忘れていたのですが、あの数分の血の気の引き方は忘れられません。 訪問介護でいちばん取り返しがつかないのは、実は お宅の鍵をなくすこと だと思っています。 記録の書き漏れは書き足せます。鍵は、そうはいきません。 私も最初は、渡された鍵をそのままポケットに入れていました。 今回は、鍵の預かり方と、なくさないための工夫をまとめます。 なぜヘルパーが鍵を預かるのか ご本人がベッドから起き上がれない。認知症で応対ができない。ひとり暮らしで、鍵を開けに来る人がいない。 この場合、鍵を預からないとサービス自体が成り立ちません。 ただ、 鍵を預かるのは「サービスの一部」ではなく「特別なこと」 だと考えたほうがいいと思っています。 ここを軽く見ると、いつの間にか誰が持っているか分からない鍵が事業所に増えていきます。 預かるときに必ずそろえる3つ そろえるもの 中身 ①鍵預かりの同意書 ご本人またはご家族の署名。何本預かるか、保管場所、紛失時の対応 ②鍵の管理台帳 誰が・いつ持ち出して・いつ戻したか。1本ごとに記録 ③鍵の識別方法 お名前や住所は書かない。番号や記号にする ③がとくに大事です。 親切心で「○○様」と書いたタグを付けると、落としたときに 住所と鍵がセットで他人の手に渡ります 。 台帳を見ないと分からない番号にしておく。これだけで危険度がまったく変わります。 紛失を防ぐ5つ ポケットに直接入れない …かがんだ拍子に落ちます。バッグの決めた場所に ストラップで身につけるものにつなぐ …バッグの内側、ベルト通しなど 1件終わるごとに、鍵の本数を声に出して確認する その日に使う分だけ持ち出す …全部持ち歩かない 戻したら台帳にチェック …「戻したつもり」をなくす ③の 声に出す は、買い物のお金と同じです。 頭の中の確認は、疲れている日ほど飛びます。声にすると飛びません。 キーボックスを使うときの注意 玄関横に暗証番号式のボックスを付けて、そこに鍵を入れておく方法もあります。 事業所が鍵を持たなくてよくなるので、うまく使えば安全です。 ただし、次の点は決めておいたほうがいいです。 暗証番号を...

訪問介護の買い物代行で困らないお金の扱い|レシート・釣銭・立替の5手順とトラブルの防ぎ方

レシートを、うっかりポケットに入れたまま帰ったことがあります。 翌日、利用者様のご家族から事務所に電話がありました。「昨日の買い物、いくら使ったんですか」と。 金額は合っていました。それでも、あの日は一日中いやな汗をかきました。 訪問介護の買い物代行で怖いのは、盗ったと疑われることではないと思っています。 「説明できない状態を作ってしまうこと」 のほうが、ずっと怖い。 私も最初は、財布を預かることの重さを分かっていませんでした。 今回は、お金の扱いでヘルパーが自分を守るための手順を、順番にまとめます。 買い物代行は「安く早く」より「跡が残るか」 買い物代行というと、上手に安く買ってくることが仕事だと思われがちです。 でも実際に事故になるのは、品物ではなくお金のほうです。 あとから見返したときに、 誰が・いくら預かって・何に使って・いくら返したか が一本の線でつながっていること。ここがすべてだと思っています。 この線が切れていると、金額が1円も合っていても説明ができません。 やってはいけない3つ 自分のお金で立て替える …善意でも、貸し借りの関係が生まれます おつりを次回に持ち越す …「預かったまま」の状態を作らない レシートを捨てる、まとめる …ご本人以外の物と一緒のレシートは特に危険 とくに立て替えは、その場ではいちばん親切に見えます。 だからこそ、事業所として最初から禁止にしておくほうが、現場は楽になります。 訪問前に確認する4つ 確認すること 見るところ 買い物代行がケアプランに入っているか 計画書の生活援助の欄 お金の預かり方の取り決め 財布ごとか、現金だけか。上限はいくらか 買ってよい物の範囲 ご本人の日常品のみ。酒・たばこ・家族の分の扱い 店の指定があるか 遠方の店は移動時間の問題になります とくに 上限額 は、決まっていない事業所が意外とあります。 1万円を超える買い物を単独で頼まれたら、その場で受けずに一度事務所へ。ここは徹底したほうがいいと思います。 現場での手順は、この5つでいい 複雑にすると続きません。私はこの順番に落ち着きました。 預かるとき、ご本人の目の前で声に出して数える …「5千円お預かりします」 その場で預かり金額を記録に書く …帰ってか...

訪問介護で必要な資格は?初任者研修から介護福祉士までのルートと、働きながら取る順番

「訪問介護をやってみたいけれど、資格が要るのか分からない」——いちばん多い質問です。 結論から書きます。 訪問介護で身体介護や生活援助を行うには、資格が必要です。 この記事では、 どの資格から始めて、どう積み上げるか を順番に整理します。 ルートは1本です 段階 資格 だいたいの時間 1 介護職員初任者研修 130時間 2 介護福祉士実務者研修 450時間 (初任者修了なら 320時間 に短縮) 3 介護福祉士 (国家資格) 実務者研修+ 実務経験3年以上 +国家試験 まず初任者研修です。 ここを修了すれば、訪問介護のヘルパーとして働けます。 なお、 生活援助中心型のサービスに限れば、生活援助従事者研修(59時間) でも従事できます。時間が短いぶん、できる業務の範囲が限られます。 ①介護職員初任者研修 内容 受講要件 なし 。誰でも受けられます 時間 130時間 (通学+通信の組み合わせが一般的) 期間 最短で 1か月程度 。週1回のコースなら3〜4か月 修了試験 あり。ただし 補講で再受験できるスクールが多い できるようになること 訪問介護での身体介護 を含む業務 「落ちたらどうしよう」と心配する必要はありません。 ふるい落とすための試験ではありません。 ②実務者研修 初任者研修の次です。 介護福祉士を受験するために必須 となる研修でもあります。 受講要件はなし … 初任者研修を飛ばして、いきなり実務者研修から入ることもできます 初任者研修を修了していると、320時間に短縮 されます 医療的ケア (喀痰吸引・経管栄養)の基礎が含まれます サービス提供責任者 になれる要件のひとつです 2つ目が判断の分かれ目です。 「最短で介護福祉士まで行きたい」なら実務者研修から入る選択もありますが、 働きながらなら初任者研修を先に取って、収入を得ながら進めるほうが現実的 です。 ③介護福祉士 要件 内容 実務経験ルート 実務経験3年以上(従事日数540日以上)+実務者研修 +国家試験合格 養成施設ルート 指定の養成施設を卒業 福祉系高校ルート 福祉系高校を卒業 働きながら目指すなら実務経験ルートです。 「3年」は 従事期間3年かつ従事日数540日以上 という数え方になります。日数の要件があることを...

訪問介護中に利用者さんが倒れていたら|通報・連絡の順番と、やってはいけない5つ

訪問先の玄関を開けたら、利用者さんが床に倒れている——訪問介護でいちばん怖い場面です。 このとき 何を先にやるか が決まっていないと、頭が真っ白になります。この記事では、 行動の順番 と やってはいけないこと を、そのまま覚えられる形でまとめます。 覚えるのは順番だけです 順 やること 1 周囲の安全を確認する (ガス、水、電気、転倒物) 2 声をかけて反応を見る (肩を軽くたたきながら) 3 反応がなければ119番 4 呼吸を確認する 5 呼吸がなければ 胸骨圧迫 (通信指令員の指示に従う) 6 事業所へ連絡 7 ご家族・ケアマネジャーへ連絡(事業所と分担) 3番を迷わないでください。 「事業所に確認してから」と考えているうちに時間が過ぎます。 119番が先、事業所は後 です。 119番でそのまま言えばいい言葉 電話がつながったら、聞かれる前にこの順で話してください。 「救急です」 住所 (利用者宅の住所。 訪問前にスマホで開いておく ) 「訪問介護のヘルパーです。◯◯さん、◯歳、床に倒れています」 「呼びかけに反応がありません」 /「反応はありますが◯◯です」 自分の携帯番号 2番でつまずく人が多いです。 他人の家の住所は、とっさに出てきません。 訪問前にスマホの地図で開いておくか、記録用紙に住所を書いておいてください。 これだけで数十秒変わります。 そして 電話を切らないでください。 通信指令員が、胸骨圧迫のやり方まで口頭で教えてくれます。1人でも、指示に従えばできます。 やってはいけない5つ むやみに動かす … 頭を打っている可能性があります。安全確保のためでなければ動かさない ベッドに戻そうとする … 1人で持ち上げようとして、二次事故が起きます 水や薬を飲ませる … 意識がはっきりしない方に飲ませると 誤嚥します 「大丈夫ですか」で終わらせて帰る … 本人が「大丈夫」と言っても、記録と報告は必要です 自分だけで判断して救急車を呼ばない 2番が本当に多いです。 「床に寝かせておくのはかわいそう」と思ってしまうのですが、骨折していたら悪化します。 毛布をかけて保温する までにしてください。 意識がある場合 反応がある場合も、判断は同じです。 迷ったら救急要請 。 こうな...

認知症の方の訪問介護|拒否・物盗られ・帰宅願望の場面別対応と、やってはいけない4つ

訪問介護でいちばん相談が多いのが 認知症の方への対応 です。手順書どおりにいかない、そもそも中に入れてもらえない——教科書には書いていない場面が続きます。 この記事では、 現場で実際に困る5つの場面 ごとに、やってはいけないことと、そのまま使える声のかけ方をまとめます。 まず押さえる原則4つ 原則 理由 否定しない 訂正されると、内容ではなく 否定された感情 が残ります 試さない 「今日は何日ですか」は 試験 です。自信を奪います 急かさない 理解に時間がかかるだけで、理解できないわけではありません 1回に1つだけ伝える 「着替えて、それからお風呂」は多すぎます この4つを守るだけで、拒否の半分は減ります。 手順を変える前に、まず入り方を変えてください。 場面別の対応 ① 入浴を拒否される NG OK 「昨日も入っていませんよね。今日は入りましょう」 「 お湯の加減だけ見ていただけますか 」 「足だけ先に温めましょうか」 拒否の理由は「入りたくない」ではなく、 寒い・怖い・裸を見られたくない・手順が分からない のどれかであることが多いです。 脱衣室を先に温める 足浴・部分浴から始めて、抵抗が減ってから広げる 今日は無理と判断したら引く。 次につながるほうが大事です 1回の訪問で押し切らないでください。 強引に入れた次の訪問で、玄関を開けてもらえなくなります。 ② 物盗られ妄想(「財布を盗られた」) NG OK 「私は取っていません」 「そこにありますよ」 「 それは困りましたね。一緒に探しましょう 」 (見つけたら)「ここにありましたね。よかったです」 否定も、先に見つけるのもNGです。 ヘルパーが先に見つけると「やはりこの人が」となりかねません。 ご本人が見つける形 に持っていってください。 そして、 この場面は必ず記録に残し、当日中に事業所へ報告してください。 金銭に関する訴えは、担当者個人で抱えるとまず解決しません。訪問時は できるだけ単独で居室に入らない・引き出しを開けない など、疑われない動き方も事業所として決めておく必要があります。 ③ 帰宅願望(「家に帰る」) NG OK 「ここがお家ですよ」 「息子さんは来ませんよ」 「 そうですか、どちらのお家ですか 」 「その前にお茶を...

訪問介護の移動時間・待機時間は労働時間?国の通達での線引きと、面接で確認する3つ

「時給1,800円」の求人に応募したのに、 実際の手取りが思ったより少ない 。訪問介護でよくある話です。 理由の多くは 移動時間・待機時間・記録の時間 にあります。この記事では、 どこまでが労働時間なのか を国の通達に沿って整理し、 面接で確認する3つ をまとめます。 結論:条件を満たせば労働時間です 根拠は厚生労働省の通達 「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(基発第0827001号) です。ここに移動時間・待機時間の扱いが明記されています。 時間の種類 労働時間になる条件 移動時間 使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、 その時間の自由利用が労働者に保障されていない 場合 待機時間 使用者が急な需要等に対応するため 待機を命じ 、その時間の自由利用が保障されていない場合 業務報告書等の作成時間 業務上義務付けられており 、使用者の指揮監督に基づいて事業場や利用者宅等で作成している場合 研修時間 使用者の 明示的な指示 に基づく場合、または 実質的に出席の強制がある と認められる場合 通達では、 事業所から利用者宅への移動 や 利用者宅から次の利用者宅への移動 で、その時間が 通常の移動に要する時間程度 であれば労働時間にあたる、と示されています。 ポイントは「自由に使えるか」 判断の軸は1つだけです。 その時間を自分の好きに使えるか。 状況 扱い 9時の訪問が終わり、10時の訪問先へ直行するよう指示されている 労働時間 9時終了、次は14時。間は自由。連絡待ちもなし 労働時間にあたりません 訪問と訪問の間、事業所で待機を命じられている 労働時間 自宅から最初の訪問先へ向かう(通勤) 通勤時間。労働時間にあたりません 「拘束されているか」で見てください。 次の訪問まで4時間空いていて、その間まったく自由なら労働時間にはなりません。逆に、30分空いていて事業所で待たされているなら労働時間です。 記録を書く時間も対象になり得ます ここは見落とされがちです。 業務上義務付けられた記録 を、指揮監督のもとで作成しているなら労働時間です。 問題になりやすいのは 自宅に持ち帰って書いている ケースです。「自宅だから」という理由だけで労働時間から外れるわけではありません。 実質的に書かなければならない状態な...

同居家族がいると生活援助は使えない?一律禁止ではない判断基準と、断るときの伝え方

「ご家族が同居しているので、生活援助は使えません」 そう説明された、あるいは説明したことのある方は多いと思います。ですが これは正確ではありません。 同居家族がいることだけを理由に、一律に不可としてはいけないというのが国の考え方です。 この記事では、 どういう場合なら使えるのか と、 それでも断らざるを得ないときの伝え方 を整理します。 一律禁止ではない、が原則 厚生労働省は、同居家族がいる場合の生活援助について 機械的に判断しないよう 示しています。同居という事実だけで門前払いにするのは、制度の趣旨に反します。 とはいえ 「同居家族がいても自由に使える」わけでもありません。 ここが誤解されやすいところです。判断の軸は、 その家族が実際に家事を担えるかどうか にあります。 使える可能性がある場合 自治体の資料でよく挙げられているのは、次のようなケースです。 同居家族が障害や疾病等で家事ができない 家族が日中不在で、その時間に援助がないと本人の状態に影響が出る (いわゆる日中独居) 家族関係にきわめて深刻な問題があり、援助が期待できない 家族が高齢・要介護であるなど、実質的に家事を担えない状態にある 一方で、 これは理由にならない とされているものもあります。 家族が家事に不慣れ、苦手である 単に仲が良くない 家族が忙しい、面倒だと言っている 「できない」と「やりたくない」は別物 という線引きです。ここを曖昧にしたまま算定すると、後で問題になります。 判断の順番 本人に生活援助が必要か … まずここ。本人ができるなら不要 同居家族は実際に家事を担えるか … 障害・疾病・不在の状況を具体的に確認 担えないなら、その理由を記録できる形にする … 診断名、勤務時間、状況の記述 ケアマネジャーがアセスメントし、ケアプランに位置づける 訪問介護計画に落とし込む 3番目が実務の要です。 「家族が忙しいので」ではなく、 「平日7時〜19時は就労のため不在。その間の昼食準備ができない」 のように、事実として書ける形にしてください。実地指導で見られるのはここです。 やってはいけない2つ ①家族の分まで一緒にやってしまう 生活援助は 利用者本人のため の援助です。家族の分の食事、家族の部屋の掃除、家族の洗濯は含...

カスハラ対策が2026年10月に義務化|訪問介護事業所が今からやる3つと、現場での動き方

2026年10月1日から、 カスタマーハラスメント対策が事業主の義務 になります。改正労働施策総合推進法によるもので、施行まであと1か月です。 「うちは小さい事業所だから関係ない」と思われるかもしれませんが、 労働者を1人でも雇っていれば、業種も規模も問わず対象 です。訪問介護事業所は基本的に全部が当てはまります。 そして訪問介護は、 カスハラが起きやすい構造 を持った仕事です。この記事では、今から何をしておけばいいかを整理します。 何が義務になるのか 事業主に求められるのは、大きく3つです。 やること ①方針の明確化と周知 カスハラに対する事業所の方針を決めて、ヘルパー全員に周知する ②相談体制の整備 相談窓口を設け、相談に対応できる体制を作る ③発生後の適切な対応 事実確認、被害を受けた職員への配慮、再発防止 あわせて、 相談者のプライバシー保護 と、 相談したことを理由に不利益な扱いをしないこと も求められます。 相談窓口は、すでにパワハラ・セクハラの窓口があるなら 一体で運用してかまいません 。ゼロから別に作る必要はありません。 ※詳細な指針は今後示される部分もあります。 最終的な内容は必ず厚生労働省の公表資料でご確認ください。 訪問介護でカスハラが起きやすい3つの理由 ①密室で1対1になる 施設と違い、周りに同僚がいません。何が起きても目撃者がいない状況で働いています。 ②相手の生活空間に入る ヘルパーは「お客様の家にお邪魔している側」です。この立場の非対称が、断りにくさを生みます。 ③サービスの範囲が曖昧に見える 利用者・家族から見ると「掃除に来ているのだから、ついでにこれも」と映ります。制度上できないことでも、断ると人格を否定されたように受け取られることがあります。 だからこそ、 個人の対応力に任せてはいけない 領域です。ここを仕組みにするのが今回の義務化の趣旨だと考えています。 今からやる3つ ①「これはカスハラです」を定義して文書にする 言葉にしないと、ヘルパーは我慢します。次のような行為を具体的に列挙してください。 暴力、物を投げる、道具を壊す 人格を否定する言葉、大声で長時間責める 身体を触る、性的な発言、必要のない露出 サービス範囲外の要求を、断っても繰り返す 正当な理由のない...